1.タイプ別の声掛けのコツ
人によって響く言葉は様々です。同じように「頑張って!」と声掛けしても、俄然やる気になるチンパンジータイプと期待されすぎると戸惑うゴリラタイプのように反応もまちまちです。
どうせ声をかけるのであれば、相手に響く伝え方をしたいものですね。
オランウータンタイプへの声掛けのポイント
自分が納得していればそれでいい、とういうのがオランウータンであり、感情表現も豊かではないので、一見、他人からは褒められようがけなされようがまったく気にしていないように見えます。
しかし、そんなオランウータンでも、周囲からの声かけを気にしていないわけではありません。
むしろ、的確な声掛けであればオランウータンは大いにやる気を出します。
オランウータンへの声掛けのポイントは、できるだけ具体的かつ的確に、オランウータンがこだわり、試行錯誤してきたことを認めてあげること。
自分自身よりも自分の成果物をほめられることによって、オランウータンタイプの自己肯定感は高まります。
逆に、自分のこだわりポイントからずれたことをほめられると、いくら絶賛されても、オランウータンの心にはまったく響きません。
チンパンジータイプへの声掛けのポイント
チンパンジータイプが求めているのは「他人からの評価」です。
感情を表に出し、勝ち負けを重視するチンパンジータイプは、ストレートにほめられることを好みます。とはいえ、ただ褒めればよいのかというと、当然それほど単純ではありません。
チンパンジーは実際に成果が上がっていることについて、「その成果が上がったのはあなたのおかげだ」と認められることを求めています。
ですので、声掛けのポイントは、「本人」と「成果」にスポットライトをあてることです。
逆にいえば、いくら暗黙のうちに認められていたとしてもだめで、自分が達成した仕事については言葉に出して認め、ほめてもらいたいのがチンパンジーなのです。
もう一つのキーワードは「序列」です。チンパンジーが大切にするのはこだわりや自己満足ではなく、「勝ち負け」であり序列です。
一番になった、ライバルに勝った・・・そういう、他社との序列でひとつでも自分の順位を上げることがチンパンジーの関心事でありそのことを他者の言葉によって確認したいのです。
ゴリラタイプへの声掛けのポイント
ゴリラタイプが求めているのはチーム全体の調和です。
常に全体のことを考え、気を配って生活しているゴリラにとっては、成果を認められることはもちろん嬉しいのですが、自分の手柄のように持ち上げられることはあまり好みません。
自分一人が目立って周囲から疎まれたりチーム全体の和が乱れてしまうことを恐れてしまいうのです。
したがって、ゴリラタイプに声をかけるときには、本人だけでなくチーム全体を含めた評価をすることが重要です。
また目覚ましい成果やとびぬけた成績よりも、「ずっと変わらない」「地道に頑張っている」「安定している」という評価を好みます。
ボノボタイプへの声掛けのポイント
ボノボタイプが求めているのは「共感」です。
具体的な成果や「○○よりもすごい」といった序列ではなく、その場の雰囲気が温かくなり、お互いに思わず笑顔がこぼれるような空気になることを求めています。また、現実的に問題が解決するかどうかよりも、「一緒にやってくれること」「一緒に考えてくれること」がボノボにとって大切なのです。
したがって、ボノボタイプに声をかける時は「すごい!」「よかったね」「うれしいね」といった、感情に訴える言葉を使いましょう。
また、仕事の成果についても、数値をほめるよりも「お客様に喜んでもらえた」「みんなが楽しんでいる」「みんなの気持ちが一つになった」といった言葉をかける方が響く傾向にあります。
2.タイプ別のプレゼンのコツ
上司や決裁者の性格や行動原理がわかっていれば、判断を後押しする方向で企画書をまとめることで、プレゼンの採択率をあげることが可能です。
さっそく各タイプ別にみていきましょう。
オランウータンタイプの決裁者へのプレゼンのコツ
オランウータンタイプは自分自身がしっかりと納得してからでないとジャッジを行いませんので、珍しさや奇抜さを前面に押し出した企画案では説得することができません。
決裁者が納得するようにロジックを組み立て、それを証明するためのデータをしっかり集める必要があります。
また、プレゼン後に決裁を急かすようなことも厳禁です。
決裁者が腹落ちするまで時間をかけて、疑問点に粘り強く回答するようにしましょう。
チンパンジータイプの決裁者へのプレゼンのコツ
チンパンジータイプは、企画の欠点やリスクよりもどのくらいの利益が出るか、どのくらい優先度の高い案件かという部分を判断基準とする傾向があります。
ですので、多少欠点があったとしても大きな可能性やビジョンを熱く語ることで、良い評価を得ることが可能です。
また企画のユニークさ、独創性を重視しますので、どこかで聞いたような企画よりも”業界初の試み”といったフレーズを交えたプレゼンが効果的でしょう。
くどい説明はマイナスになりますので、プレゼンはできるだけ簡潔に、要点のみにフォーカスして行うようにしましょう。
ゴリラタイプの決裁者へのプレゼンのコツ
ゴリラタイプは、企画の現実性を判断の基準とします。
失敗した場合のリスクがどうなるか、もし採択した場合の実行プランはどの程度まで練られているかなど、先の先までしっかりと考えられているかどうかが重要です。
プレゼン後に”こういうケースではどうするのか”など細かく質問をしてくる可能性がありますので、想定問答をしっかりとシミュレートしておきましょう。
あまり独創的過ぎる企画はリスキーととられがちなので、ユニークさをアピールするよりも実現性の部分にスポットをあててプレゼンするとよいでしょう。
ボノボタイプの決裁者へのプレゼンのコツ
ボノボタイプは、相手が自分の意をきちんと汲んでいるかどうかを重視します。
過去に本人が語っていた言葉を引用して、”以前○○さんが~とおっしゃっていましたので”というフレーズを用いることで、好印象を与えることが可能です。
普段からしっかりとコメントをメモしておくと良いでしょう。
また、ボノボタイプには根回しが非常に効果的です。
食事の場などでさりげなく”こういうことを考えています”という話を耳に入れておくことで、プレゼンを好意的に見てもらうことができるでしょう。