話題の食品スーパー「エブリイ」の急成長の一因
「類人猿性格分類」とは、広島県福山市に本社をおくスーパーマーケット「エブリイ」を中核とするエブリイグループで採用されている人財育成方法の一つです。
エブリイは16連続増収、うち15期連続増益、10期連続2桁増収という業界も注目する急成長企業であり、「類人猿性格分類」はその成長の一因となっています。
類人猿を知ることが、ヒトを知る近道
「類人猿性格分類」とは、人間の特徴(個性)を、4つの類人猿であるオランウータン、チンパンジー、ゴリラ、ボノボの4タイプに分けるもので、タイプごとの違いを知ることで、相手をより深く理解し、良好な人間関係を構築しようというものです。
自分や相手をタイプ分けすることで、相手との違いを当たり前に感じられるようになります。
それは極めて簡単なことで「あの人はオランウータンタイプだから、こういう反応をするのも当たり前だよなぁ」「なるほど、チンパンジータイプはこんな風に考えるのか」といったことを実感するということです。
相手のタイプと類人猿の特徴を理解できれば、相手の行動にイラっとすることもなく、その人に合わせてスムーズにコミュニケーションをとれるようになるのです。
コミュニケーションの本質に迫る考え方
「相手は自分とは違う」という当たり前の考えを自然に意識することができれば、相手とのコミュニケーションは劇的に向上します。
「良好なコミュニケーション」というと「仲が良い関係」と考えがちですが、そうではありません。
仲は良くなくても、考え方が違っていても、お互いを理解し尊重できれば対立ではなく協調する関係を築くことができます。
コミュニケーションを向上させたいなら、仲良くしようとするのではなく、お互いに理解しようとすることから始めればよいのです。
「なぜあの人とはウマが合わないのか」「なぜあの人の行動にいちいちイラっとしてしまうのか」といったストレスを抱えている方も、「類人猿性格分類」を知ることでスッキリ解消できるかもしれません。
自分と相手との違いに怒りや苛立ちを覚えるのではなく、楽しめるくらいになれれば幸せなことですよね。
自分を知ることから始めよう!
相手を理解すること以上に自分自身を理解することが重要です。
「類人猿性格分類」で自分のタイプについて理解を深めると、これまで当たり前過ぎて考えもしなかった自分自身の行動特徴が具体的に理解できるようになります。
そして、自分が周囲からどのように見られているかが分かり、自分の当たり前が他のタイプにとっては理解しがたい考え方であることに驚きを覚えたりします。
こうしたことが分かってくると、自然に相手に合わせて自分の行動を変えることができるようになります。
「何であの人はいつも私の意見に反対するのか」「何でみんな私のことを分かってくれないのか」といった悩みも「反対されないようにするにはどうすればいいか」
「どのように振舞えば、皆が私のことを理解するようになるか」といった考えに切り替えられるようになります。
皆で成果に向かえるチームに!
「自分のことを理解し、相手のことを理解する。結果としてお互いを理解する」
こうしたプロセスを、難しい理論ではなく感覚的に理解していくのが「類人猿性格分類」なのです。
覚えるのではなく感覚的に身に着けるため、知ったその日から、自然に(無意識的に)行動に変化が起きます。
もちろん、個性は人それぞれ
「類人猿性格分類」の紹介をしていくと、ヒトを”分類”することに抵抗を覚える
という方もいらっしゃいます。
しかし、分類することが目的ではなく、自分や相手を理解し、自分の行動が変わり、
結果としてより大きな成果につながることが目的であって、分類はそのための
プロセスであり手段(ツール)でしかないのです。
もちろん、一人ひとりに対して、相手の個性を知り、そこに共感し、相手に合わせてコミュニケーションの仕方を変えることができれば、これほど好ましいことはありませんが、私たちはあまりにも多くの人たちと接しており、一人ひとりとこうした関係を築くことは、言うまでもなくとてつもない時間が必要になります。
特にビジネスの場面では、そこにかけられる時間は限られますから、「類人猿性格分類」で大きく4つのタイプで自分や相手の特徴を理解するというのは極めて合理的だといえます。
むしろ、分類してからの方が、人それぞれの様々な個性を発見できることができると思います。
あなたが、相手に対して「チンパンジータイプだけど、こういうところもあるんだな」と思った時、その”こういうところ”は、より魅力的な個性として印象づけられるでしょう。
このように、より深く、より早く相手を理解するためのツールが「類人猿性格分類」なのです。
自己診断
どうやって分類するの?
「類人猿性格分類」は、人がオランウータン、チンパンジー、ゴリラ、ボノボの4タイプに分かれるところから始まります。
その分け方ですが、以下の2つの質問に答えることで自分がどのタイプに属するかが分かります。
(実際のセミナーでは、20の質問に答えて自分のタイプを導きだします)
皆さんも是非実施してみてください。
なお、「類人猿性格分類」関連の書籍を出版する(株)夜間飛行の「類人猿分類公式サイト」でも簡易分析ができます。
http://yakan-hiko.com/gather/
STEP1
表の2つの質問に答えて、A~Dの中で自分にあてはまるものを決めてください
(株)YPYエデュケーション:セミナー資料を一部改訂
STEP2
各アルファベットに対応するのが皆さんのタイプになります。
(株)YPYエデュケーション:セミナー資料を一部改訂
4タイプについて
表にキャッチフレーズが記載されていますが、各タイプの特徴を簡単に説明したいと思います。
自己診断が終わった方は、まずはご自分のタイプから確認してみてください。
なんとなく当たってるな、という感想をもっていただけると思います。
オランウータンタイプの特徴
オランウータンタイプは、一言でいえば「納得」が重要なタイプです。
自分が納得できない仕事はできれば断りたい、逆に納得したことは労を惜しまずとことん追求するといった具合です。
また、納得いかないことがあれば上司や目上の人にもにも、はっきりとものを言う芯の強さがあります。
周囲の人とはあまりコミュニケーションをとらず、単独行動を好む傾向があり、周囲から「とっつきづらい」「空気が読めない」と思われることも少なくありません。
そんなオランウータンタイプは、論理的な仕事を得意とし、数値分析や戦略立案といった場面で力を発揮します。
また、職人的なスペシャリストもオランウータンタイプが多くみられます。
ゴリラタイプの特徴
ゴリラタイプは「平和主義」です。争いを好まず、人の和を乱す行動やルール違反を嫌います。
日々の業務も、常に計画通り進むことを望み、ルーティンワークもむしろ好みの仕事といえます。
一方で、調和を大事にするあまり、あまり自己主張はせず、周囲からは「ポリシーがない」と 評されてしまうこともあります。
そんなゴリラタイプの得意な仕事は、チーム内の調整役や細かな計画の策定などです。
また、縁の下の力持ち的なサポート業務や、毎日コツコツと行うルーティンワークもしっかりとこなします。
チンパンジータイプの特徴
チンパンジータイプの特徴は「勝ち負け重視」。
そして「考える暇があったら即行動」です。
仕事もプライベートも常に勝利を求め積極的に行動します。またチームを勝利に導くために強い リーダーシップも発揮します。
時にはそのような行動が周囲から「攻撃的」「強引」ととられ衝突することもありますが、そうした時も 素早く関係修復を図り、あるべき方向に向かおうとします。
そんなチンパンジータイプが得意とするのは、企画や営業といった発想力や行動力が求められる仕事。 「あなたにしかお願いできないんだ!」と言われたら、きつい仕事も快く引き受けてくれます。
ボノボタイプの特徴
ボノボタイプのキーワードは「共感」で、目の前の相手に自然に同調し感情移入することができます。
相手の感情を機敏に察知すること得意で、それが相手への気配りにつながり、チームのムードメーカー的な貴重な存在になります。
一方で、仕事の場でも感情に左右されることが多く、嫌いな相手、苦手な相手との仕事では 思うようにパフォーマンスが発揮できなかったりします。
そんなボノボタイプの得意な仕事は、接客、サービスといった人と接する業務です。ただし、相手を論理的に説得するような調整業務は苦手な傾向にあります。
人間社会は4つのタイプが共存する森
これまでの記事を読んでいただいた皆さんであれば、コミュニケーションについて様々な気づきがあったと思います。
例えば、
・自分と相手は違う(当たり前のことだけど再認識した)
・根本的に考えや行動の基準が自分と違う人がいる(意見が合わないのも当たり前だ)
・自分の考えは常に少数派である(4タイプだから、自分の意見は常に1/4)
とったところでしょうか。
こうしたことを理解していないと、どうしても相手に対して否定的な意見や感情を抱きやすくなります。
例えば、考えるよりも先に行動したい「チンパンジータイプ」と頭の中でじっくり計画を立ててから行動したい「オランウータンタイプ」が一緒に仕事をすると、一方は「行動力がないなぁ」とイライラし、他方は「考えもなしに行動したって時間の無駄じゃん」とあきれているといった場面が容易に想像できます。
また、多少ルールを外れても、成果に向かって突き進みたい「チンパンジータイプ」と、手順を踏んで着実に進みたい「ゴリラタイプ」も頻繁に衝突する場面を見かけます。
人間社会は4つのタイプが共存する社会です。
自分と相手の違いを異質とみなして否定していては物事はあるべき方向に進みません。
自分を理解し、相手を理解し、自分と相手との違いを容認することが肝要なのです。
相手を理解するためのヒントとなるよう、今後も各タイプの特徴(あるある)などを
随時紹介していきますので、お楽しみに。